poetry nogizaka in starkly minor

真逆の世界観を持って乃木坂46を愛している人間が彼女たちに捧げるド短調な詩です。

あの花は君だと思っていた

樋口日奈さんに捧げます。(こんな暗い詩を捧げて、ひなちま、ごめんね。ただひなちまは僕には空に舞う薄紅色の花びらのイメージだから)



今年もまた
春が巡ってくる
でも君はもういない

僕らは愉しく騒いでる
人たちから離れて
ただ一つ立っている木の
その木から
花びらが静かに
散っていくのを見ていた
僕らの間に
言葉は要らなかった
花びらは一つ一つ
目に見えない風に
吹かれて
空の上のほうへと
舞い上がり
見えなくなった
僕たちは
僕は
花びらが
見えなくなるまで
空を見ていた
花びらは舞い上がって
つぎからつぎへと
空に
あの花びらは
あなたね
あなたもああして
空に舞って
どこかに消えてしまうのね
君はそんなことを
言ったのかもしれない
僕には
聴こえていなかった
僕はただ
淡い色の花びらが空に
いちまいいちまい
うす紅が灰色の空に
消えていくのを
見ていただけ
あの花は君だと
思っていた
僕が
空に消えていく
君が
空に消えていく
そして
僕たちが空に

あれから
一年が巡って
また春が人々が
ここに集まる

でもただ一本
離れて立っていた
あの木はない
跡形もない
果たして
ここは同じ場所
なんだろうか
僕は
この見知らぬ場所で
何処に行けば
いいのだろう
そして君
君はもういない
いや
違うんだ
君は最初からいなかった
たぶん…
あなたもこうして
消えてしまうのね
そうさ
あの時の僕は
君にはもう
消えかけていた
僕はただ
空に消えていく
花びらを見ている
と思っていた
たぶん
それが理由さ
君は初めからいなかった
あの一本だけ立っていた
木と同じ
僕たちはこの場所で
二人違うものを見ていた
たぶん
君はいなかったし
僕もいなかった
僕たちもいなかった
一本だけ立っていた木
なんて初めから
そこにはなかった

春がまた
巡ってくるとしても…
.